ユーザがなぜ頭が悪いか?
2回ほど書いた過去のモデムビジネスについてのエントリで、頭の悪いユーザをだましているだけじゃないか、のようなコメントがいくつかついていたので、そこだけ、もうちょっと説明したい。だいたい、ぼくはユーザのことを頭が悪いと思っていない。
およそものづくりをする人間にとって、気がつきにくかったり、忘れがちになる重要なことある。ほとんどの人間はあなたのつくったものに興味もなければ、大事なものとも思っていないということだ。しかも、あなたのつくったモノやサービスのユーザであってすらも例外ではない。
自分の仕事で他人の人生に影響あたえることができるなんて本当にまれな幸運な出来事だ。
ふつうは、自分の細かいこだわりとか思いなんてものは他人には、まったく伝わらない、興味をもってもらえない。
もし、一見、ユーザが馬鹿にみえるとしたら、その理由は、彼らが馬鹿だからじゃなく、基本的には興味ないか、専門じゃないからだ。
人間が真剣になにかをやったとき、本気になったとき、個人間での差は、それほど大きくならない。
アリより遅くしか走れない人間はいないし、馬よりも早く走れる人間もいない。人間の個体差なんてそんなもんだ。
人間で大きな個体差がうまれるのは、片方が本気でないときだけだ。
人間心理を読みながらマーケティングを考えるとき、このことはゆめゆめ忘れてはいけない大事なことだと思う。