再考:堀江さんの罪

前回のエントリでは、メカAG氏と消毒氏の非論理的な部分にたいして批判したわけだが、非論理的なことを非論理的に批判するなと、多くのひとにぼくのほうが批判されてしまった。おそらくコメントしてないひとでも、そう思ったひとは多かっただろう。ぼくはそのつもりはなかったが、現にそうとったひとが多かったことは、ぼくの文章能力の問題だ。率直にお詫びする。


とはいえ、ぼくは声なき読者に謝罪する気持ちはあっても、実際にぼくがきちんと反論していないなどと、書き込んだひとに対してはまったく謝るつもりはない。なぜなら事実はそうでないし、ネットで他人を批判する自由は逆に批判されかえすリスクとセットであるべきだと思うからだ。


fromdusktildawn氏はツイッター上でぼくの前回のエントリを以下のように批判した。

fromdusktildawn たとえ相手の論の大部分が非論理的だったとしても、わずかに残った論理的な部分を取り上げて論理的に反論しないと面白いコンテンツにはならない。相手の非論理的な部分にだけ反応するとゴミブロガーまっしぐらだよ。


一方、そのあと、当のAGメカ氏は次の記事でこうコメントした。

短気な人間なら「俺はこんなこと言ってねーぞ」と怒り、その時点で反論を放棄したかもしれない。kawangoは文句を言いつつも、ちゃんと反論を続けている。痩せても枯れても、さすがである。


まあ、ぼくはAGメカ氏に文句たらたら書きなぐってはいたが、ちゃんとまじめに反論もしていたのだ。ようするにfromdusktildawn氏が、主張するとおりのことをkawangoはちゃんとやっていたと、文句いわれた当のメカAG氏は思っていたことになる。


まあ、そのあとなんだかんだとfromdusktildawn氏は逃げ回って誤摩化そうと努力しているわけだが・・・、まあ、人格批判は評判悪いのでやめることにしよう・・・。


ああ、でもしたい。とても人格を批判したい。だって腹が立つんだもの。


まあ、折衷案としてfromdusktildawn氏への批判はこのエントリに最後におまけのコラムとしてのせることにする。嫌なひとは読み飛ばしていただきたい。


さて、fromdusktildawn氏や消毒氏、メカAG氏もふくめて、いろいろなひとの批判はようするに堀江氏がやったことがいかに悪いことであり、株式市場を歪めるかということだ。


どうもみなさんぼくの主張および価値観を誤解しているようなので、あらためて説明したい。ぼくは堀江さんがおこなった行為そのものについては嫌悪の対象だ。それは最初から表明している。

冷静に考えて、ライブドアというポータルサイトとフジテレビの価値が釣り合うわけがない。それが、時価総額だか、MSCBだがしらないが、よくわからない理屈で歴史ある大企業が簡単に買収されそうになってしまったのは、どう考えても公平ではない。こういうのが許されるのであれば、株価をあげるテクニックがうまいだけの経営者が日本経済をいずれのっとってしまうことが可能だろうし、別に日本の経営者じゃなくても外資が日本経済をのっとることも同様に可能だということだ。だから、日本という社会が、もしくは国家権力が堀江さんを叩きつぶすという判断をするのはすごくまっとうで自然なことだと、ぼくはいまでも思う。(ぼくが堀江さんを応援する理由(後編)より)


ここはぼくの倫理観をよくあらわしているところだ。そもそもぼくは合法違法を問わず、株価をあげるテクニックそのものが存在することが気に食わないし、結果、くそ企業がフジテレビを買収できるという結果になっている時点で犯罪だと思っている。ぼくの個人的な倫理観ではマネーゲームそのものが悪だ。MSCBとかLBOだったり自己資本に組み入れ可能な劣後債とかは存在自体が許しがたいというのがぼくのスタンスだ。しかし、どうも世の中の正義はぼくほど過激ではなく生ぬるいらしい、ということも分かっているから、そういう現実を受け入れて生きている。実際問題、食わなきゃいけないから、本来許せないそういう社会の仕組みも多少は利用していて恩恵を受けている。ちょうど原発反対者が原発の電気も利用しながら文明的な生活を送っているようにだ。


だから、資本取引を結果的に利益にとりこむことがいかに悪いことだかを一生懸命メカAGさんなどは教えてくれるわけだが、そんなことは最初からわかっているし、ぼくにとってもありえない犯罪だ。そんな抜け道があったら、いくらでも株価操作で利益がねつ造できる。実際にそういう類いのことをライブドアはやっていたという指摘もあった。ただし、ぼくがありえない犯罪だと思っているもので犯罪じゃないことになっているものも世の中にはくさるほどあるし、これがOKでこれはNGだという理屈そのものが茶番にしかみえないというのがぼくの感覚だ。こうこうこういう風でマネーゲームをすれば合法だし儲かるんですとかいう説明と、これは実態はこうだからこういう風に解釈すべきで、だから犯罪なんですとかいう説明は似たもの同士の喧嘩に見える。


これまでのエントリでの主張の繰り返しになるが、なぜぼくが堀江さんを無罪と思うか、というと、堀江さんと実際に会ってみて、彼がまったく悪いことをやったと本気で思っていなかったからだ。彼は本当に法律を守りながら、儲けているつもりだった。ようするに彼は間違って犯罪と解釈されてしまうことをやってしまっただけなのだ。


間違っても犯罪と解釈されることをしたのなら罪は罪という理屈はそのとおりで仕方なかろう。でも、いきなり意図的に粉飾を堀江さんがしたと糾弾されて罰金だけならともかく実刑判決までくらうのか、まったく意味がわからない。(なお、これも最初からいっているがCFOの宮内氏はわかっていただろうし責任もあると思う。)


堀江さんはもともと世間知らずのオタクなのだ。オタクがビジネスというゲームを彼が理解したルールにもとづいてつきつめちゃったということだ。ようはこの方法だったら合法で儲かりますっていう部下の財務担当者の説明をコンピュータオタクあがりの社長が信じちゃったってことでしょ?


会社にもよるだろうが、通常、こういう財務的な問題を社長自身がリーガルチェックをおこなうことはない。もともと財務に明るい社長じゃなければ財務担当者の説明に頼るほかない。で、監査法人との話し合いも財務担当者がやっているだろうから、財務担当者が大丈夫です、という説明をしたら、多くの社長はその判断を信じてしまうだろうとぼくは思う。


取締役はこういう会計的な知識をもつのが義務だという主張をしていたひともいたが、なんで、ライブドア事件みたいなスキームの是非を自分で判断できることが取締役の条件にならないといけないんだ、と思う。ようするに叩き上げの職人タイプの経営者は存在してはいけなくて、会社は会計知識豊富でマネーゲームが得意なひとたちばっかりによって支配されるべきってことだよね?嫌悪すべき世界だ。


まあ、社長なんだから、会社全体に影響与える犯罪を社長が責任とらないわけにはいかないと思うけどね。だが、こんな要求を突き詰めていったら社長はリスクを回避するためには本業のビジネスなんてできなくなるだろう。


なので、そろそろ結論をまとめると、堀江さん自身が無罪という考えを変えるつもりはない。やったこと自体は悪いことに決まっている。それが犯罪とみなされるかどうかはそのときの世の中が決めることだ。社長が全部を理解することを要求され、全部に責任とらされるのはフェアじゃないし、ろくでもない社長が増えるだけってことだ。


というわけで、とっとと、おまけであり本題でもある人格批判にはいる。嫌いなひとはここで読むのをやめてほしい。

おまけ1


さて、このエントリの最初で紹介したfromdusktildawn氏のツイートに、思わず適当なことをいいやがってと怒ったぼくは、ちゃんと読めや、と返信したわけだがその回答がこれだ。

fromdusktildawn これは「お前はちゃんと読んでいないから間違ったことを言うのだ」ということを具体的な根拠を示さず言っている。そこからは「俺は正しくお前は間違っている」以外の情報が読み取れないので話がかみ合いようがない。RT @kawango38: @fromdusktildawnちゃんと読めや


具体的な根拠もなにも、ちゃんと読んでないだろー、と怒った訳だが、まあ、一見、正論にも見える返答をされてしまった。


でも、そのあと、当のメカAG氏自身がfromdusktildawn氏の見解とまったく正反対の内容をコメントしたわけで、そのことを指摘したのだが、まったく回答がなくて無視をした。かわりにこんなこととかをつぶやきはじめた。

fromdusktildawn こういう法的に悪とすべきかどうかは微妙だけど道徳的には露骨に人を騙すようなことをやっている経営者本人を道徳的にも悪であるかどうか疑問であるという主旨のことを主張するのは正直、ぼくとは感覚が違いすぎていて、一緒にビジネスしたらあまりの心労にすぐに十二指腸潰瘍になりそうな気がするよ。


ぼくはやったことは道徳的に悪だと最初から主張していたことは上でも説明した。やったことが悪だというのと経営者本人が悪だというのは違う。


というか、てめえ、いろいろ呟きはじめたのはまるでぼくと議論で対立しているかのような偽装だろ?ぼくが文句をつけているのは相手の書いていることをまったく読まずに批判する態度だ。


あげくのはてにはこういうことまでいいだした。

fromdusktildawn 上場企業の会長がtwitterとブログで実名で罵倒や人格攻撃をするというのはすごいな。ネットで実名を公表せずに活動している人を知らずに罵倒したら、中の人は自分の今後の取引先になる可能性だってあるだろうに。会長〜やめて〜(涙)とか思って眺めている社員とかいそうで気になるな。


おそらくいやがらせのつもりで書いたのだろうが、自分が都合の悪いことがあったときにそのことにはふれずに攻撃をはじめる。彼はそういう人間だということだ。

fromdusktildawn 上場企業の会長が実名で人格攻撃と罵倒をするのも凄いと思うけど、自分を信じて出資してくれた株主を騙すような決算書を出すことに罪悪感をみじんも感じてない心根を全世界に公開しちゃうのもすごい。 / はてなブックマーク - なぜ堀江さん有罪派の…http://htn.to/DgBtmw


だから、おれは最初から堀江さんのやったことについては否定しているだろ。やっぱり、おれのブログを全然、読んでないじゃん。


ひとのブログを読まずに批判して、ちゃんと読め、といわれると根拠を示せと答える。こんなのまともな議論のやりかたではない。そして都合が悪くなるとごまかしていやがらせをはじめる。どうせ現実でもそういうことしてんだろ。


君はネットではずいぶんと立派なことを書いているが、だいたいネットで立派なことを書いているやつなんていうのは、現実でひまで話をきいてもらえる相手がいないからに決まっている。(ソース=自分)


相手の話をきかないでひとりよがりに理屈をいってるから、ネットでしか話をきいてもらえる相手がいなくなるんだ。

おまけ2


当時のライブドア取締役だった熊谷史人氏が興味深いツイートをしていた。現在進行形で面白い話が追加されているが(いま気づいた)、最初のほうの3つを紹介する。

kuma1977 尊敬してます。宮内さんは私や私の部下が追加逮捕されないように、誰よりも考えてくれた恩人です。結局私は逮捕されましたが、宮内さんがいなければ後数名追加逮捕されていました。RT @GoldenLeroy:堀江さんは宮内さんを軽蔑してますが、熊谷さんはどう思ってるんですか?


kuma1977 宮内さんが検察と取引して堀江さん主犯説を供述し、堀江さんをはめたと考えるのは間違い。堀江さんの立場ではそう思うかもしれないけど、実際は、逮捕される仲間を最小限に抑え、事件を早期に終息させ、ライブドアの崩壊をとめようとしただけ。


kuma1977 堀江さんは堀江さんらしく貫き通した。そういう堀江さんが好きだから私は裁判や供述でも最大限堀江さんを応援した。それができたのは、追加逮捕が私で終わりとわかったからなんです


その後のツイートもあわせて見る限り、全員が違法性の認識はなかったようだ。


なるほど。しかし、結局、真実は部外者にはわからないものなんだね。