はてブというコミュニティの設計について

ハックルさんに会った。同席させていただいたHashさんといっしょにご飯もおごってもらった。
餌付けされた記念にハックルさんのガツンに対するコメントを書いてみる。最初にいっておくとぼくは明快な回答をもっていない。


ハックルさんが指摘する内容をぼくなりにまとめると、はてブのコメントによる暴力性を緩和する仕組みが必要ということだ。そのためにはブログ主がコメントの表示のオン・オフを個別に許可できる仕組みを実装すべきというものだ。


確かにはてなダイアリーについては実装可能かもしれないし、それなりに機能はすると思う。が、はてなブックマークのそもそものブックマーク共有サイトなので、じゃあ、はてな以外のブログやホームページ、ニュースサイトはどう扱うのか?許可をもらったページ以外はコメント表示を禁止するのか?などと考えると、はてながこの機能を実装する可能性は低いと思う。


ハックルさんはまたいったん賞賛のコメントが大量についたのにもかかわらず、ある日、そのコメントが一斉に叩く方にまわる、その怖さについても指摘した。


おそらく問題は、はてブユーザ、それもアクティブにブックマークしてコメントをつけるひとたちが常連化していて一定のローカルな世論を形成して、それに影響されて風向きが決まるというような現象にあるんだと思う。


この問題ははてなというかnaoyaさんは、はてブアーキテクチャーの設計の問題としてしか捉えないだろう。


つうか、ぼくならそう思うのでどうしたらいいか考えた。再度いうが明確な結論はない。


アーキテクチャーの設計の問題はようするにコミュニティの多様性と濃度の問題であるとぼくであるなら考える。つまり集団で叩くような行動を直接禁止するのではなく、そういうような行為が発生しにくいような設計を考える。


現象としてあらわれている問題らしきものをまとめるか以下のようなところだろうか。


・ 常連層の興味が偏っていることとホットエントリがポジティブフィードバックをつくっていて、その他の嗜好のユーザが参加しずらい。
 

あ、いくつかの問題点をあげようと思ったら、一文でまとまってしまった。あと、補足するとしたら、常連層自体がゆるいコミュニティとしてクラスタを形成してしまっていることだろうか。そしてそのクラスタが大きいのがほぼ1種類ぐらいしかない?ことが問題だ。


てっとりばやいのはホットエントリとかなくすことだが、そうするとはてブ自体がホットでなくなってしまうので、まあ、それはない。


できるだけ多様な記事がホットエントリにあがってくるようにすべきだが、実はこれは相当かなりうまく設計されている。しかしそれでいろいろなクラスタができているかというとちょっと微妙だ。現実問題として、はてな内部のアーキテクチャーで現状をよくすることは無理だと思う。


なんか飛び道具をつかって外部の力を借りたいところだ。


まあ、普通の方法では、あんまり打つ手はないなあ、という結論になるのだが、参考までに、オンラインゲームのコミュニティの例を紹介する。


オンラインゲームでコミュニティの濃度と多様性を解決する仕組みは以下のような流れで発展してきた。本筋からすこし離れるので軽い紹介にとどめる。


・ ロビーサーバータイプ
ロビーで待ち合わせて対戦相手をマッチングするタイプは、基本的にはユーザの数がとても増える&ロビーの数も増えるというかたちで問題が解消された。ユーザが増えると常連化が物理的にむずかしくなる。なので過疎ったゲームは常連化することは避けられない。


・ Quakeタイプ
FPSの場合はコミュニケーションをなくすという方法で解消された。すきなときにゲームに参加して敵をころし、すきなときにゲームをやめる。チャットでは、ぎゃーとか死ねとかぐらいの会話しかないので、コミュニティ濃度が薄まる。


・ バトルネットタイプ
ユーザのマッチングが基本的にはランダム。一期一会。


・ MMOタイプ
友達とパーティを組んで「他の大勢」のユーザとコミュニケーションをおこなう。友達との濃厚なコミュニケーションが、全体コミュニティへの参加圧力を減らす。


はてなに適用するとしたら、まずユーザの絶対数を増やすパターンが王道だろう。その他のタイプは、はてなの性格自体が変わる話であり、SNS的要素を組み込んで育てるという話になるだろう。


あんまり明確ではなく申し訳ないですが、まあ、いま、1時間ぐらいで書きながら考えた内容なのですみません。


※なお、ハックルさんはいいひとでした。と書くとすごく社交辞令ぽくて逆に裏があるように思われるので、もうちょい詳細に書くと、ぼくはもともとハックルさんはいいひとで、全然怖くないひとだと思っていたので、おおむね予想の範疇内といえますが、予想よりは怖い外見でした。